古代周遊
ロマンあふれる“古代”を講演や探訪で学びます。ひと口に“古代”と言っても年代や対象として遺跡、人物、文化等々多くの分野があります。例えば古墳を探訪する場合に必要な知識には銅鏡、大王豪族、渡来人、記紀等々様々にあり、これらを得ることは更なるロマンを楽しむために大切です。ここではテーマごとに講師をお願いし、質疑を交えながら学び、歩いて楽しみます。
令和6年度は、
*「加耶から見た倭」 座学1回
古代の半島から見た倭とは、どのようなものか?そして半島文化が近江に与えたものは?半島史の権威にお話をうかがいます。
*「近江と渡来人」 座学3回
渡来人とは? 大陸や半島から進んだ知識をもたらし、列島の開化に果たした役割は大きかった。渡来人研究の第一人者の先生をお招きします。
*奈良「馬見古墳群」現地探訪
4世紀末から6世紀造営の古墳が集まる「大和三大古墳群」の一つ。葛城氏との関係は? 今回も陵墓、古墳の権威今尾文昭先生に解説、ガイド頂きます。
*「藤原氏と近江」、「乱と近江の豪族」座学2回
かつて三つの都が置かれた近江。大和、京都に近く豊かな穀物と交通の要衝である近江を抑えることは権力を握るために必要条件であった。誰が、どの様に近江を駆け抜けたのか。二つの講演を予定します。
風土記の時代とその世界
風土記は奈良時代に国司らによって編纂され、朝廷に提出された国ごとの地誌で、古代の地地域情報や地名の由来、古老の伝承などが載せられ、古代の地域社会の片りんをうかがうことができる史料です。近畿でまとまって残る『播磨国風土記』を中心に、播磨と出雲の関係、播磨 と近江の関わりなど、風土記の世界を紹介していただきます。
①『播磨国風土記』と古代社会 座学
②『播磨国風土記』にみる播磨と出雲 座学
③風土記にみる近江 座学
神と仏
インド発祥の仏教は、アジア全域に伝播していく過程で、各地の様々な宗教と出会い、衝突と融合を繰り返しながら今日に至っています。日本では長い歴史を経て「神仏習合」として日本文化に定着しましたが、その背景や過程、さらに融合の論理について学びます。また、明治初期の神仏分離・廃仏毀釈を経てもなお現在まで継承されている延暦寺における「神仏習合」についても紹介いただきます。
①仏教の世界観から考えよう 座学
②融合の論理を学ぼう 座学
③比叡山における神仏習合 座学
石山寺の魅力
近江の寺社シリーズ第3弾。今までに日吉大社、三井寺を訪ねて社寺の関係者から由緒や文化財・建築等を学んできました。今年度は、2月に鷲尾座主様に講演頂いた観音の寺、学問の寺そして紫式部にゆかりの深い石山寺を訪ねて学びます。また、大津市歴史博物館の「石山展」に合わせた講演会も予定します。八世紀半ばの創建と言われ、勅願寺として長い歴史を持ち石山寺文書など貴重な文化財を今に伝えています。“新たな石山寺”を発見し、学びます。
①あお若葉と「光堂」の宝物
②毘沙門天堂御開帳
③「石山寺展」大津市歴博講演
近江の暮らしと祭り
歴史資源の宝庫、近江の先人が遺されてきて今日まで、連綿として生きづいている、暮らしのかたちや、祈りのかたちにスポットを当てて、深く掘り下げて学びます。今年度は干支教室・龍神信仰について学びます。
①曳山シリーズ 近江の曳山・その多彩な信仰 座学・見学会
②干支シリーズ 近江の竜神信仰・雨乞いと太鼓踊り 座学・見学会
③職人シリーズ 近江の名工・湖東長村鋳物師 座学・見学会
近江の仏像・・・11世紀から13世紀
二年間にわたり、近江の仏像を時代順に平安時代(11世紀前半)までの様相をみてきました。本年は、天台寺院が近江の津々浦々まで浸透した平安時代(11世紀半ば頃~12世紀)および浄土教系の新宗派が隆盛した鎌倉時代(13世紀)以降を採り上げます。前者は、仏師定朝に倣った造像が一世を風靡します。後者は、浄土教教団の本尊にふさわしい「三尺阿弥陀」が数多く造像されます。滋賀県の指定文化財はこれらの時代の仏像が大多数を占めています。とても全部を紹介しきれませんので、特色のあるものを採り上げ、お話ししていただきます。
座学 3回
現地見学 2回